3・11から10年経っても、ほとんどが「机上の空論」
原発再稼働を決める条件にすらなっていない「原発避難計画」の実態。道路崩壊や段差、崖崩れ、津波被害や浸水被害による通行止め、さらには放射性物質の流れる風向きは――。原発のある町を訪ね歩き、実現可能な避難計画のありかたを検証する。

県境で変わる交付金

 内浦湾を挟み京都府舞鶴市側の大浦半島に向かうと、その山道はさらに険しくなり、ハンドルを右に左に振らなくてはならなかった。そして対向車とすれ違うことができないほど道が狭い。大浦半島の集落は、高浜原発から5キロ以上離れているが、避難が困難であることから、PAZ扱いとなっている。宮城県おながわ原発の「準PAZ」と同じ扱いだ。舞鶴市なり地区も、高浜町音海地区同様、半島の先端までの道がなく、行き止まりになっていて、半島を周りこんで逃げることはできない。そして、京都府側には、「原子力災害制圧道路」として整備されたトンネルはない。わずか5キロだが、原発立地県と隣接府の差である。

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