3・11から10年経っても、ほとんどが「机上の空論」
原発再稼働を決める条件にすらなっていない「原発避難計画」の実態。道路崩壊や段差、崖崩れ、津波被害や浸水被害による通行止め、さらには放射性物質の流れる風向きは――。原発のある町を訪ね歩き、実現可能な避難計画のありかたを検証する。

2回 新潟 柏崎刈羽原発

中越・中越沖地震の経験地で

 新潟県柏崎市と上越市にまたがってそびえる米山よねやま(標高993メートル)は「越後富士」とも呼ばれる山で、地域の住民は親しみをこめて「米山さん」と呼ぶ。柏崎市の町中を車で南に向かって走ると、正面に美しくはだかる。この辺りでは、小学生が登山をする山としても親しまれているが、かつては、八合目付近から女人禁制の山であったという。

 歴史をさかのぼると、米山は漁業神として、海に出た漁師には位置の目印となり、山の雲は天候の目安にもなった。治病神(眼病治癒)、農業神としての信仰の対象でもあったようだ。今でも行われているという、藤の花を先端に結んだ竹や、稲虫除けの黒札のついた竹を水田に立てる儀礼は、米山薬師に豊作を…

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