3・11から10年経っても、ほとんどが「机上の空論」
原発再稼働を決める条件にすらなっていない「原発避難計画」の実態。道路崩壊や段差、崖崩れ、津波被害や浸水被害による通行止め、さらには放射性物質の流れる風向きは――。原発のある町を訪ね歩き、実現可能な避難計画のありかたを検証する。

原発の町の居酒屋で

 すでに、いくつかの「原発の町」を訪れている。

 とある原発の町で、取材を終えて駅前の居酒屋に入った。高齢の女将が一人でやっているその店では、地域で獲れる魚と、山で採れるきのこ、そして家庭料理のメニューが並んでいた。最初の緊急事態宣言は解除されていたものの、コロナの「第3波」の兆しのせいか、店には私しかいなかった。

 朝から8時間煮込んだというぶり大根とモツ煮をすすめられ、「山でなめこ採ってきた人がさっき持ってきたから、なめこおろしも食べなさい」と言われ、注文せずに料理が決まった。

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