3・11から10年経っても、ほとんどが「机上の空論」
原発再稼働を決める条件にすらなっていない「原発避難計画」の実態。道路崩壊や段差、崖崩れ、津波被害や浸水被害による通行止め、さらには放射性物質の流れる風向きは――。原発のある町を訪ね歩き、実現可能な避難計画のありかたを検証する。

8回 鹿児島 川内原発――火山噴火リスクと隣り合わせの原発

豪奢な施設

 私ごとではあるが、父は25年ほど前から九州電力せんだい原発から50キロ圏内にある鹿児島県内の町に住んでいる。九州の地震のたびに「大丈夫?」と連絡すると、「あいカルデラが吹っ飛んだら、こっちはすぐ死ぬだろうけど、残されるお前たちのほうが心配だなぁ」とか「灰(桜島)には慣れっこ」とか、わりと呑気でもある。

 福島原発事故後、当初、国は50キロ圏内(PPA)の市町村まで避難計画を策定させる予定だった。しかし、20154月の原子力災害対策指針の改正でPPAの概念は削除された。そのため、全国で準備していたPPAの避難計画は…

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