第8回 鹿児島 川内原発――火山噴火リスクと隣り合わせの原発
豪奢な施設
私ごとではあるが、父は25年ほど前から九州電力川内原発から50キロ圏内にある鹿児島県内の町に住んでいる。九州の地震のたびに「大丈夫?」と連絡すると、「姶良カルデラが吹っ飛んだら、こっちはすぐ死ぬだろうけど、残されるお前たちのほうが心配だなぁ」とか「灰(桜島)には慣れっこ」とか、わりと呑気でもある。
福島原発事故後、当初、国は50キロ圏内(PPA)の市町村まで避難計画を策定させる予定だった。しかし、2015年4月の原子力災害対策指針の改正でPPAの概念は削除された。そのため、全国で準備していたPPAの避難計画は…