14 「夏休み、体重の減る子がいる」に気づいた校長のしたこと
アパートの二DK
そのアパートに着いたのは、午後五時半だった。紀子さん(仮名)は、ちょうど洗濯物を取り込んでいた。「仕事から帰るのが五時半」と聞いていたから、ちょうど帰ってきたところなのだろう。小さな玄関で出迎えてくれた紀子さんは、Tシャツに短パンという部屋着に着替えていた。
食材や台所用品が詰められた段ボール箱を持って部屋に入る。六畳のリビングと四畳半の寝室、それに六畳程度のキッチンがついた二DK。モノがないので広く感じる。真新しい冷蔵庫の脇に段ボールを置く。リビングのソファの上では、アツシ君(仮名)が体育座りをして、ゲーム…