「モン、ホラは許せるが、ウソは駄目だぞ。見てきたことだけ書け!」
そのひと言を肝に銘じ取材活動を続けてきた。ジョー樋口さん(本名、樋口寛治)は筆者の大事なプロレスのお師匠さんだった。飾ることなく真実を語ってくれた。
ジョーの愛称は、力道山の日本プロレス時代、外国人係だったことから、日系レスラーの大御所グレート東郷に「カンジ・ヒグチでは呼びづらい、簡単なジョーにしろ!」といわれたもの。業界でジョーさんの名を知らぬ人はもぐりである。以下ジョーさんと書く。
そのジョーさんが、肺腺ガンのため都内の病院で亡くなったのは、2010年11月8日午前5時38分のことだった。81歳だった。
「俺さ、体重が5、6キ…
この作品では本文テキストのコピー機能を制限しています