詐欺師の周りには詐欺師と同じ価値観(カネに色はついていない、カネはカネだ)を持つ者たちが無数に存在する
詐欺師たちはいかなる手口を使い、どんな人間を嵌めるのか? なぜ被害者が後を絶たないのか――? 溝口氏の面目躍如、現代日本の闇を暴く力作です。

第四章 ヤミ金からシステム詐欺に

 山健組に非ざれば山口組に非ず

 五菱会のヤミ金では、新入店員の初任給が四〇万円、歩合給を入れると五〇万円といったケースが珍しくなかった。このため本藤彰のイベサー仲間にも、目先のカネに釣られてヤミ金に就職する者が何人かいた。

 本藤は彼らと顔を合わせ、話を聞く機会があったが、貸し付けや回収に際して、また同業者とのバッティングや縄張り争いなど、何かとトラブルが多いことに気づいた。中には暴力団を紹介してくれと頼む者もいた。

 本藤は学生時代からイベサーのケツモチだったから、暴力団とはほとんど全方位外交だった。東京の住吉会、稲川会、極東会から西の山口組系組織に至るまで、ほと…

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