このように自然と安らかに結びつけられた世界を北米の白人が求めるようになったのは、第二次世界大戦以後のことである。ナチスのユダヤ人虐殺、ソヴィエト・ロシアの大量粛清、米国自身の原爆投下、これらの事実は、西欧文明の道をさらに進むことへのうたがいをもたらした。やがてヴェトナム戦争がおこり、この長い戦争の中で、自分たちの国の自然科学と社会科学が、アジアの小国の侵略のために使いこなされるのを見て、科学技術にもとづく文明にたいするつよい反感がうまれた。シオドー・ロスザックの『反文化の形成』(一九七〇年)によると、権力批判の運動の中で宗教が求められたことは、植民時代は別としてこの時までにたえてなかったこと…
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