哲学者・鶴見俊輔は戦前のアメリカで何を見たのか――
一九三〇年代後半米国に留学し,三〇年後そのインドシナ介入に対し積極的な反戦活動を進めている著者は,北米の民主主義的伝統を再考しつつ,それを黒人や原住民の側からとらえ直すことを試みる.文芸批評家,詩人,SNCCの活動家,黒豹党の行動と思想を追求する中で著者の北米体験は深刻な反省を強いられ,新たな米国像が浮彫される.

詩 と 科 学

 スナイダーには、『わりぐりと寒山詩』(一九五九年)、『神話と本文』(一九六〇年)、『うらの国』(一九六八年)などの詩集があるが、ここでは彼のただ一つの評論集『大地の家計』(一九六九年)をとおして、その考え方をたどることにする。

 この評論集の題名「アース・ハウス・ホールド」は「大地の家を支えとして」とでも訳すほうがよいのかもしれないが、同時にここには、「家計」(ハウスホールド)という意味もかくれており、地球を一つの家政の単位としてやりくりを考える工夫が必要だという著者の考え方を示している。「エコロジー」(生態学と訳される)の「エコ」はもともと「家」を意味し、「エコロジー」とは大地を舞台とした家…

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